変化を楽しみながらやりたいことを実現



2020年の緊急事態宣言が続く中でダイバーシティ工房が運営を始めたのが、「LINE相談むすびめ」。

その立ち上げに関わったのは、当時入職して2ヶ月ほどだった佐藤佑紀さん。現在は、LINE相談むすびめのマネジメントと地域連携コーディネーターとして活躍しています。

それぞれの仕事でのやりがいや葛藤を聞きました。



プロフィール
宮城県仙台市生まれ。大学を卒業後に中学校で社会科の教員として勤務。2020年にダイバーシティ工房へ転職し、個別指導員として勤務。現在は子どもと家族の無料LINE相談窓口「むすびめ」マネージャー、地域連携コーディネーターを努める。


入職時には想像できなかった2年間での変化


振り返って考えると、2年前の入職時には予想もしなかったような仕事に取り組めているなと感じています。

もともとは地方で教員をしていたのですが、学校の中でできることの限界を感じていたこともあり、NPOへの転職を考えてダイバーシティ工房に入りました。


だからここに来るときには、自分が身に着けられるものがあればなんでもやろうと思っていたんです。


最初は学習支援事業部の個別指導員で入ったのですが、ちょうどその後にむすびめを立ち上げることになり、代表が声をかけてくれて、迷わず立ち上げメンバーに加わりました。




オンラインと直接支援の橋渡し


ーやっと軌道に乗ってきた2年目、ここからがスタート


むすびめは、コロナ禍で気軽に外出して他者と話をしたり、街中で偶然手に入っていた情報が減ったりしていく中で、「ふと困ったときに、気軽に相談できる先をつくろう」と始まった事業です。


主軸としては、行政の窓口やお住まいの地域にある直接支援の機関に繋いでいく入口となる役割を担うために、相談を受け付けています。



ですが実際は新しい機関につながらずに日々のやりとりを続けている方も多くいます。

お話しをする相手がいる、というつながりで私たちが力になれる段階と、それを超えて、実際の生活環境における直接支援が必要な段階の2つがあるなと感じます。


今後は相談支援のアセスメントの段階を踏んで、より直接支援に繋いでいく役割を強化していきたいと思っています。



相談につながる方の中には緊急を要する場面の方も多く、対応の方法について相談員同士でも日々議論を重ねています。相談者の方は何を求めているか、何が必要かをそれぞれの相談員が真剣に考えていくため、お互いに指摘を受けることも少なくありません。


また、それぞれの地域の支援機関に問い合わせする中で、認知を広げている途上にある私たち団体からの連絡を、丁寧には聞いてもらえない場合もあります。


そんなときにも、否定をされているわけではないと、ひとつひとつを経験として受け止めていけるような考え方ができる方にとっては、大きなやりがいのある仕事だと思います。



ー文字で繋がる事業だからこそ感じ始めた違和感


むすびめをやって行く中で、最近「言葉が全てじゃない」と思うことがあります。


例えば、言葉遣いや雰囲気、生活の様子など、私たちは対面で話すときにはあらゆる非言語の情報も含めて「その人を知る」ことをしていますよね。言葉でないものの方に実は本質が眠っている場合もあるかもしれません。


一方、むすびめは言葉とは切り離せない事業です。そういう点で、チャットでのメッセージのやりとりだけでは、その人の実際の様子を知るのには限界があると感じています。


LINEの画面で送られてくる「ありがとうございます」という言葉一つとっても、実際に相談者がどう思っているか、気持ちを読み取りづらいこともあります。


ただここまで言葉や言語化することについて考え始めたのも、むすびめがきっかけかもしれません。

文字だけのやりとりにもどかしさを自分が感じるのは、これまでの人との関わりにおいて視覚情報に頼っていた部分が大きかったからではないか、と気付かされています。



むすびめを使っている方の中には、LINEという文字だけのやりとりだからこそ、他者と安心して繋がれる、本音を言える、という方もいらっしゃるのかなと感じます。



さまざまなコミュニケーションの手段がある中で、「むすびめ」での文字のコミュニケーションを選択している理由を考えながら、私たちにできる最大限を模索しているところです。





やりたいと思っていたことを実現できる環境


実は、教員時代から子ども達が集まれる居場所づくりの取り組みがやりたかったんです。


「学校に行くのは苦手だけど家にいるのも好きじゃない。でも気の合う友達と会うのは楽しいし、外に出ていろんな人と関わっていると安心する。」


そんな中高生たちが、健全にたむろできる居場所があったらいいなと漠然と思っていました。


自分自身が学校に居場所を見つけられなくて、ライブハウスに出入りするような時期を過ごしていたことも大きな原体験です。



学校だけがすべてじゃないという実感も大きかったので、地域や社会とゆるくつながりながらも、信頼できる大人に頼れる関係性がつくれて、安全に過ごせる場所が子ども達の身近にあるといいなと思っていました。



その一つが、「むすびめ」というネットの居場所です。ネットの空間上にある個別の相談室のような形が実現できたと思っているので、この形も必要だなと思っています。


本当は自分が作ったリアルな拠点が全国にあればいいけれど、そんな簡単ではないし、時間もかかるので、それを一気にカバーできるのはネットの利点ですよね。





新たな地域連携の取り組み



むすびめのマネージャーとして活動に取り組む中で、やはりオンラインから直接支援への接続までを自分たちでできる仕組みも構築していきたいと考えていました。


そのときちょうど、地域の定時制高校への支援のつながりがスタートして、地域連携のプロジェクトも並行して担当をするようになりました。



地域連携では「連携」の難しさを改めて感じることも少なくありません。

関わる団体ごとに歴史があり、積み重ねてきた経験があります。そこに対して、今までは関わりのなかった私たちが急に「連携」どうこうと言い出すのに、違和感はあるんだろうなとも思います。

民間の団体ということもあり新しく関わる地域の方から、「どこまで繋げられるのかわからない」とストレートに言われたこともあります。



でも中には、民間の私たちだからこそ、ダイバーシティ工房のスタッフだからこそ担える役割を必要としてくれる方もいると感じています。


「縦割り」という言葉をこの1年で何度も聞きましたが、子どものことを考えたらお隣さんの感覚でみんなが素早く動けるようになった方がいいんですよね。

そのためには、やはり地域の学校や行政、団体同士が顔見知りであることが必要なんじゃないかなと考えています。



まずは市川市でダイバーシティ工房の活動を認知してもらえるように、地域に出て行って、話を聞いて、出来ることがあればやります!と、関わりの場面を見出している最中です。



ダイバーシティ工房内の事業のつながりや接点、共通項を見つけて全体をコーディネートできるマネジメントの経験がある方や、自分たちの活動を少し俯瞰的に見つつ、新しく出会う方と楽しんでコミュニケーションを取りながら今後の課題について話ができる方、そしてその役割を主体的に担える前向きな方がいたら嬉しいですね。






応募者の方へのメッセージ


自分が将来やりたいことがはっきりしている方なら、実際の業務とは差があっても、経験値を積むことができる楽しい環境だと思います。


取り組みたいことへの前向きな気持ちや課題に対して自分の考えていることをアピールできたり、年齢や立場に関係なく議論ができたりするなど、自分自身の存在を認めてもらえる職場です。


真面目で、責任感の強いメンバーも多く、私も含めて一人で考えて取り組むと、どうしても突っ走ったり、逆に行き詰まったりすることも多い日々です。


そんなときに時間を作って腹を割って経験を語ったり、お互いに相談にのったりすることが好きな方だと、なお嬉しいです。









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